To HOME

■私のシステム紹介■ 『4 Way マルチアンプ・システムの挑戦記』
鳥取県にお住まいの・山根氏    (Updated Sep. 2012)

 
本ページでもご紹介しておりますアナログレコードコンサートをアクティブに開催されている、鳥取県にお住まいの山根氏より、4 Wayマルチアンプ・システムの現況リポートが届きましたのでご紹介いたします。

山根氏は長年勤められた電気メーカーを退職後、現役時代にはなかなか手を付けられなかった大型システムの構築に挑み、またご自身で大型スピーカキャビネットの自作、アンプの製作など、精力的に自作オーディオライフに取り組まれています。

お聴きになるソースはもっぱらアナログが多いとか、厳選されたアナログ機器には、長いブランクがあったとは思えない奥深さと円熟味を感じさせるシステムとお見受けします。(記・大西)
コンサートでの司会進行

 
 
●36年振りに握るハンダゴテ・6年で取り戻した36年の空白

2001年春に退職してその年はアメリカNJへ出稼ぎ、その滞在期間中の休みはもっぱらジャズライブハウスへ通いました。バードランド、ビレッジバンガード、そして憧れのブルーノート、本場のジャズ、それも目と鼻の先にあの有名プレーヤー!・・・・。

この雰囲気を我が家に持ち込めたら?との想いを持ちつつ、その2年後の2003年5月に36年振りに自作・真空管オーディオを再開することになりました。たまたま立ち寄った書店で管球王国誌28号を購入したのが本格的再開のきっかけです。

オーディオ誌を手にするのも久しいのですが、その中で大西正隆氏の2A3パラレルシングル・ステレオパワーアン「HK-5」に惹かれるものを感じ早速注文、36年振りに半田鏝を手にしたのです。

その後も勢いは衰えず、36年間の空白をわずか6年間で取り戻し、ついに今年2月には36年前の貧しい独身時代に想い描いていたマルチアンプシステム、それも“究極”の4wayマルチアンプシステムを構築してしまいました。

音質調整の追い込みは、この先まだまだやることがたくさんありこれが終局とは思っていませんが、ほぼ満足のゆく状態となりましたので、この大西正隆氏のHPをお借りしてシステムの概要ご紹介をさせて頂きます。



●4 Wayマルチアンプのシステム構成・ブロックダイアグラム

下記にシステムのブロックダイアグラムをご紹介します。昨年(2008年)11月までは、バックロード・スピーカーFE-208ES-R+D-58ESを入れない3wayシステムで聴いておりました。チャンデバはdbx DriveRack260のみを使用して、ウーハーと中高域ドライバーとのクロスオーバー周波数は400Hz、ツィターとは13.2kHzの3 Wayです。

この3 Wayシステムでもそれなりに大きな不足は感じなかったのですが、大西正隆氏のこのHPで紹介されている、「ダブルウーハーを2分割した3 wayマルチシステム」に触発されて、又、大西正隆氏の助言も頂き、ミッドバスを追加した4 Wayシステムへの発展を計画してしまいました。

しかし、ただのミッドバス追加では面白くないのと、ミッドバス追加の効果が期待ほどでもなかった時の労力の補償をも考慮して、かつてより密かに想いのあったバックロード・フルレンジSPを製作して、マルチシステムのミッドバスを兼用させることにしました。

dbx DriveRackPAにはFostex T500MkUの位置補正の為の「DELAY」機能を働かせています。DriveRack260にはクロスオーバーネットワークの前に「グラフィックEQ」と「ハウリングサプレッサー」機能をいれ、クロスオーバーネットワークの後には「パラメトリックEQ」、「DELAY」そして「位相補正」機能を働かせています。

  






マルチアンプ群
『4 Wayマルチシステムのブロックダイアグラム』 as of May 2009


●ミッドバス追加の4wayマルチシステムの効果について

システムの4 Way化につきましては様々な試行錯誤がありましたが、結果としてミッドバスの受け持ち帯域は149Hz〜500Hzに決まりました。

スピーカーが1個増えればそれに伴い面倒な調整も増えます。特に位相調整、主にDELAYの調整が今まで以上に厄介でしたが、しかし、完成した4wayマルチシステムの音は?、それは明らかに全体のキメ細かさが一段と向上しました。

特にボーカルの明瞭度が素晴らしく、加えて音場感の向上(定位感の向上)と、帯域感の拡張も加わって、重量が何と50Kgを越える大型バックロードSPを製作した苦労も吹っ飛んで、オーディオの極みを堪能しています。

ウーハー用アンプはKT88パラレルPP「HK-13」、中高域を受け持つJBL2450Jと2360Bホーンにはパーマロイトランス搭載の300B PP「HK-16」、ツィター用にはKT88 PP「HK-10」を使用しています。
 

ミッドバスの駆動アンプは2A3 PP「HK-9」を使用していましたが、大西氏が管球王国52号で発表されたロフチン・ホワイト型300Bシングルアンプ「HK-17」を借用してこれに置き換えたところ、4way全体の音質がこのアンプの特質である煌びやかな音質に変身です。

  この事からも僅かな帯域を受け持つミッドバスの追加がマルチアンプシステム全体の音質にいかに影響をおよぼし、そして各アンプの音質もまた重要であるかを改めて認識出来た次第です。


(Sep.09 updated)
ミッドバス用に設置された300Bシングルアンプ「HK-17」(写真左)。スピーカーのレイアウトも変更されている(写真右)。

  
●バックロード・スピーカーについて
38センチウーハー・JBL1500ALを収納したウーハー用エンクロージャーも自作したのですが、今回ミッドバス用の大型バックロード・スピーカーボックスも自作をしてしまいました。

ボックスの原型は、故長岡鉄男氏が設計されたD-58ESをベースにしてフォステックスが18mm板厚用に設計を変更した箱を参考にしています。

搭載したスピーカーは、フォステックス社が3年前に限定頒布した20cmバックロード用SP:FE208ES-Rを搭載しています。

このバックロードSPとロフチンホワイト型300Bシングル・パワーアンプ「HK-17」の組み合わせで聴く音もなかなかの音を聞かせてくれます。
 
dbxDriveRack260のパラメトリックEQとグラフィックEQ機能を組み入れて、特性のフラット化を施したバックロードの音は超低域から超高域をカバーして、、正にフルレンジスピーカーの真価が発揮された再生音が聴かれます。加えて先の300Bシングル・ロフチンフォワイトアンプ「HK-17」で鳴らす音は煌びやかさが増し、すっきりと伸びた高域は4wayマルチシステムに匹敵し、ツィーター:T500MkUを不要とします。


●dbxDriveRack260について  
現在主にチャンデバとして使用しているのはdbx「Drive Rack 260」です。この機械は管球王国の49号、52号で紹介されています。

プロのPA用が主たる使用だとは思いますが、オーディオ用として家庭内で使用しても何ら音質に不足は感じてはいません。
むしろその豊富な機能を家庭用オーディオシステムに組み入れると、一段と再生システムの精度を向上させることが出来ます。dbx DriveRack 260に備えれた各種機能はマルチシステムのみならず、前述のフルレンジシステムにも有効に活用することもできます。

DriveRack 260の多彩な機能の中で、ハウリング・プロセッサー機能を有効に活用しています。木造2階建ての6畳の部屋で大型SPシステムを持ち込めば、当然空気伝播はもとより、床の振動に因るハウリングが発生して再生音に影響し音が濁ります。実際にこのAFSの機能を使ってハウリングを測定すると、何と低域のみでなく1kHz辺りまでにかなりのハウリングが発生する様子を知ることが出来ます。

このハウリングは各種インシュレーターや、有名な防振ゴムメーカ数社のご協力を得てサンプルを入手しました防振ゴムの類を用いても解決は出来ませんでした。しかし、このAFSを組み入れることで、かなり音を大きくしてもアナログだけでなくCDプレーヤーにも効果を発揮して音の濁りを無くすことができます。

この機器には50通りのプログラムを格納することが出来て、ダイヤルを回すだけでフルレンジ、2way、3way、4way、の切り替えが出来、又、聴く音楽、好みに特性を変えたプログラムにダイヤルを回すだけで切り替えも出来ます
 

dbx DriveRack PA・ハウリングサプレッサ(AFS
EQ機能もそうですが、特筆すべきはシステムにはdbx独自のハウリングサプレッサ(AFS)が組み入れられていることです。

多分この機能を家庭用オーディオシステムに組み入れているのは弊山根一人ではないか?と考えているのですが・・・・・(?)
 



■アナログシステムについて

アナログシステムをご紹介します。アナログプレーヤーは重量級ターンテーブルRPM9/PRO-JECTをベースに3本アーム搭載に改造したものです。

このシステムの特筆すべきは、プレーヤー全体を覆うダストカバー付きの自作の箱に納めていることです。

箱の底部には3cm厚大理石ボードを敷いています。

多くの方がダストカバーを付けないで使用されていますが、使用・演奏中に降り掛かる埃は機器とレコードに損傷を与えます。ダストカバーを付けると音質に影響するとの考えがある様ですが、このダストカバー付きの箱はその影響を全く受けませんし、又、精神的にも安定作用があります。



2003年に大西アンプHK-5に廻り合って36年振りに自作オーディオを再開、貧しい独身寮時代にオーディオ雑誌「ラジオ技術」で紹介されていた著名な方の大型マルチシステム、天井を突き破って設置された超大型ホーンの印影が未だ脳裏から離れていない当時の夢、その夢を今回紹介させて頂いた4wayシステムで自分なりに実現出来たのではと思っています。

■お知らせ■
住まいは鳥取県でございますが、このページでご紹介しました4wayマルチシステム・大西アンプを是非聴いてみたいという方はメールにてご連絡を下さい。皆様にお気軽にお聴きいただき大西アンプの良さ・素晴らしさを知って頂ければと思います。

PAGE TOP
 

 
ラインコントロールアンプ「HK-2000」
アナログ・デジタル機器群 DAS-703ESも健在
 
MCトランス「HK-15」とCR型EQアンプ「HK-8 Mrk II」
(ラック上段)
 
 

ウーハー JBL1500ALは
KT88パラレルPP「HK-13」90Wパワーアンプでドライブ

中高域ドライバーJBL2450をドライブする
パーマロイ・コアOPT搭載・300B PP「HK-16」
 

ミッドバスSPは2A3 PP「HK-9」でドライブ
近々300B S・ロフチンホワイト「HK-17」に置き換え予定

ツィーター用ドライブアンプはKT88 PP「HK-10」
上段はdbx Driverack
PAGE TOP

■■■■
■■■■■